物の処分と人の死(随筆)
祖母が死んでからそこそこの時間が経ったので、いろいろと整理をした。家の中、物置の中。特に物置は自分が色々と物を持ち込んで、子供の頃から学生の頃、そして今に至るまで趣味の空間としてつかの間のひと時を提供してくれた。
が、物置なので他の家族の者が貴重品からガラクタまで色々と積み重なっていた。かなり広いので何年もかけて片付けてはいた。
片付けるうえで一番進まない要因が、自分の物ではない物を片付けるということである。
浪費癖のあった祖母の物がかなり多かった。どうせいらないものだろうと、子供の頃とにかく物置を片付けたかったから父に捨てていいか聞くと、どう見てもいらないものでも「触らないでおけ」と、いう。
祖母が晩年アルツハイマーにかかって何も判断できなくなってもだ。
そして、ついに祖母が死んだ。こうしてドタバタとしてて時間が過ぎたとき、物置を片付けようと思い立った次第である。
そして祖母のまったく使わないで物置に放置されていたものを片付ける。積み重ねて処分しようとすると、祖母の息子である父は複雑な表情をするが処分するなとは言わない。
正直なところ、祖母にあまりいい思い出はなかった。なので、物置から次々と出てくる衣料をはじめとした無駄遣いの痕跡は中々いらっとするものがあるようで、祖母の息子たる自分の父が複雑な表情をしてるのはこういったものを目の当たりにして何か思うところがあるからだろうと思う。
まあ、そういったわけでこういったものは必要な人がいたらその人に、いらないものは処分ってことで目につかないところにおいたほうがいいでしょうと。
あと、身軽で物をあまり持たない生活を送りたい。