個人的、三宅洋平とそれに反応する世間に対する評
2016年7月参議院選挙にてミュージシャン三宅洋平が2013年の参議院に次き再度緑の党より立候補した。そして、落選。
この人に対する世間の風当たりがすごく強くなっているなと感じる今回、前回の17万票から25万票まで伸ばしたのは驚いた。比例してみなさんの批判も強くなっていくのもわかる。
三宅氏よろしく、この手の方々は批判にさらされると自身の信念の正しさをより強固に確信する傾向にあるようで、この三宅氏も生涯政治に身を捧げると宣言されていた。
ちなみに前回の参議院選では様々なことを考慮して自分は比例で三宅洋平と書いて投票したが、今回は様々なことを考慮して比例では自民党に入れた。特にこの選挙上でのSNSで見られた「これだから左翼は」みたいな声は見ててヤレヤレとなるし、野党は批判しかしないという声に対してはそれは立派な役割だと思うし民主制を保証するために必要な機能だ。
一方、三宅氏に対する批判はナチュラリスト(笑) オーガニック(笑)、といったものや過去の問題発言をめぐる声が多い。この似非科学を信奉する謎のミュージシャンという風に見えてしまうのもまあ無理はない。自分が前回、三宅洋平に投票した理由としては、氏のかつてやっていたバンドの犬式が大好きだったのはなくもないが、ツイッターの上でのアレな発言などではなく、ちゃんと政策をまとめたのを見てみたら建設的な政策を提案しているとその時は考え、その時の様々なことを考慮して投票した。
それはさておき、犬式すごくかっこいいのでオススメです。
そして、自分も周りの親しい音楽の話をできる人と話してみると、犬式は大好きだけど三宅洋平に入れなかったという人は多かった。ちゃんと自分は切り離して考えていると。犬式の音楽性はレゲエをベースにしているところもあり、自然回帰なところを感じることができる。今の資本主義に迎合しないカルチャーといったところだ。
しかしながら、ちゃんとその社会においてもこの音楽は居場所がある。犬式の音楽、さらにはアルバトラス(三宅氏が犬式後に結成したバンド)は音楽共同体原体験のようなものがあり、いわゆる根源的なものがあるといったものもあり、それがナチュラリスト(笑) オーガニック(笑)などとされるのではあるが、わりと理想として受け入れられやすい。
この反社会性をも含む文化をその一部にしてしまう資本主義はかつてのロックにおいてもいえる。ヒッピームーブメントは爆発的に広がったが何ももたらさなかったナマケモノの堕落としかとらえてない大人は多いが、そういうことを言う一方であのころはすごかったなという思い出として残っている。
こういったムーブメントが抜群の知名度を誇る一方で、本当に支持されているかというとよくわからないところがある。この三宅洋平においても、彼のミュージシャン仲間も政策を支持するわけでもなく、こいつはすごいから!みたいな感じで支持する姿を見るし、三宅洋平の音楽に期待する人はまだいる。
現に、商業音楽活動の箍がはずれて選挙活動と音楽を積極的にした三宅洋平がどんどんう票を伸ばしているのは事実ではあり、反資本主義的なものをもその一部にしてしまう資本主義の機能が、それを政治にまで飲み込んでしまうとどうなるのかというのを次の選挙で見たくなってしまうようなところが個人的にはある。